2013年6月24日月曜日

神秘の池とオンリーワン――夜叉ヶ池山開き――

6月の初旬、長らく冬季通行止めだった夜叉ヶ池への登山道が通れるようになりました。
その模様を山開きの神事とともにお伝えいたします。

国道365号線から県道231号線へ広野ダム方面へと向かった先、その広野ダムの傍らにバリケードがありました。今回ここから先へ行けるようになったということです。まだ先は長いですね…。

(※5月11日に撮影した写真です。)

登山口に到着しました。今年も装い新たに、登山客を迎えんとしています。

鳥居のすぐそばには、夜叉ヶ池に伝わる伝説を基にした泉鏡花の戯曲『夜叉ヶ池』の碑が立っています。



神事に先立ち、湯和会(とうわかい)さんによる詩吟、真舞流吟舞道会(しんぶりゅうぎんぶどうかい)今庄教室さんの舞による扇舞『夜叉ヶ池』が奉納されております。



今庄にある白鬚神社の宮司さんをお招きし、登山の安全を祈願する神事を執り行いました。



関係者によるテープカットと同時に、待ちに待ったと登山客が夜叉ヶ池へと向かいます。
私(川村)もジャージにショルダーバッグという超軽装で挑みました。



参考までに、夜叉ヶ池までの登山道の様子はご覧のようになっております。
 

 

 

 



険しい山道を登ること2時間、ついに視界が開けてきました。


山奥にポツンとある池の上を、霧が滑るように吹き抜けている、そんな幻想的な光景が広がっています。

池の畔にあるのがこの奥宮夜叉龍神社(おくのみややしゃりゅうじんじゃ)です。
1981年には福井県側から資材を運び、豪雪にも耐えうる神社となったのですが、年数が経つにつれて綻びを隠せなくなってきているようです。

実は、世界でもこの夜叉ヶ池にしかいないという固有種の昆虫をここで見ることができました。ヤシャゲンゴロウという名前です。環境省および福井県のレッドリスト絶滅危惧I類であり、また種の保存法においても国内希少野生動植物種に指定されていることからも、この生き物のあまりの貴重さを窺い知ることができます。




池の岸辺はちょっとした砂浜になっていますが、今はこの通り。木製の歩道が整備されており、砂を踏むことすら許されません。しかし、数年前まではこの歩道もなく、水際まで迫ることができたそうです。

――夜叉ヶ池にまつわる逸話は尽きず、記事の内容も多岐にわたってしまいました。ですが、それだけの「オンリーワン」がここにはあり、この日も遠くは関西や石川方面からも登山客が訪れています。
町民とともにオンリーワンを紡ぎ、そして発信していく。それが更なる地域の盛り上がりへと繋がるように、これからも努力して参ります。


[隊員① 川村]

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